ヘビとトカゲの違いって?どっちも有鱗類!
ヘビとトカゲの違いってなんだろう?と疑問に思いますよね?ヘビはトカゲから進化したけど違いってなんだろう?アシナシトカゲはトカゲなのにナゼ?ミミズトカゲは?という疑問にもお答えします。
生物学的には違いがない!?
まず、ヘビはトカゲから進化しているのでトカゲである、ということができます。ですが、トカゲの定義をどうするかが問題ですよね。例えば、トカゲを有鱗類というグループの爬虫類全体を指す言葉だとするのなら、「ヘビはトカゲである」ということができます。
しかし、トカゲをヘビ以外の有鱗類を指す言葉だとすれば、「ヘビはトカゲではない」ということができます。
「どっちだよ!」となるのはわかります。一般的にはトカゲとヘビは分けられることが多いので、今回はトカゲの定義を「ヘビ以外の有鱗類」として、ヘビとトカゲの違いを解説します。
ヘビとトカゲの分類
ヘビもトカゲも爬虫類の中の、有鱗類というグループです。その中での分類は以下のようになります。
この図からヘビはオオトカゲの仲間だとわかります。ヘビはオオトカゲに近い有鱗類ということですね。この関係性をもっと詳しくしたのが以下の図。
ヘビはモササウルスに近い仲間なんですね。ヘビ、オオトカゲ、イグアナを合わせたグループを「有毒類」といいます。また、アシナシトカゲもオオトカゲ上科に含まれていますが、ヘビではありません。
なぜなら、先ほど定義したとおり、トカゲの定義は「ヘビ以外の有鱗類」だからです。
特徴の違いは?
さて、「トカゲはヘビ以外の有鱗類」ということですので、たくさんの種類があるわけですから、こんな特徴があるよ、なんて一括りには言えません。
なので、ヘビの特徴についてざっくりと説明します。
まぶたが無い
ヘビはもともと地中で生活していたため、まぶたを失いました。原始的なヘビで日本にも生息するメクラヘビの仲間は、目が鱗に埋れていています。実際、ヘビは目を退化させたあと、再び進化しているので、目の構造(ピントの合わせ方)が他の脊椎動物とは異なっています。
脚が無い
ヘビの特徴といえばこれですよね。地中で生活していたため、四肢を失いました。とはいえ、ニシキヘビやボア(アナコンダとかボア・コンストリクター)などの原始的なヘビは、めちゃくちゃ小さい脚があって交尾の時に使います。
舌先が二股
よくペロペロしているヘビの舌は、先が二股に分かれています。ヘビは下で空気中の匂い粒子をキャッチしており、匂いで物を見ています。この特徴はオオトカゲにもありますね。
しっぽが短い
トカゲにも尻尾が短い種類はいます。ですが、ヘビは全体的に尻尾が短い。アシナシトカゲはわりと尻尾が長い。しっぽの長さは総排出腔(人間でいう肛門)から尾の先っちょまでの長さです。
腹板がある
脚の無いトカゲはたくさんいます(ヒレアシトカゲ、アシナシトカゲ、ダーツスキンク、ミミズトカゲなど)が、この特徴はヘビだけです。陸地を移動するのにとても便利な鱗で、ヘビの進化レベルの高さを感じます。ウミヘビには無い。
口が開く
餌を丸呑みするため大きく開きます。オオトカゲも大きく開くが、脚がなく獲物を噛みちぎることができないので、ヘビはこの能力をより進化させました。開かない種類もいるが。
温度を見る
ニシキヘビやボア、クサリヘビは、ピット器官で赤外線を見ることができます。できない種類もいる。
まとめ
他にも特徴はあるのですが、説明がながくなるためやめました。
トカゲの定義を「ヘビ以外の有鱗類」とすれば、「ヘビはトカゲではない」ということができます。